言葉と記憶の小径。

D's Diary./The long and winding path of my own choice.

2024-01-18から1日間の記事一覧

尽きる言葉。

〇日 ボックオフ。以前より通う頻度は減ったが、この日も30分ほどいて、1冊も買わずに店を出る。芥川賞が発表されたばかりだが、棚には、ここ数年の受賞作がずらりと並ぶ。全て100円。 帰り、大型書店に入る。売れ筋の商品が店頭で置き本になっている。置き…

「月と六ペンス」サマセット・モーム。

ソウルジョブともいえる為事を持っている男なら、一度は、こんな人生に憧れてしまう。画家のゴーギャンをモデルに書かれたとされるが、モーム自身の人生への憧憬が、そこにある。 絵を描くために妻も友人も裏切り、最後はタヒチ島に渡り、ライ病に冒されなが…

「マリカのソファー/バリ夢日記」吉本ばなな。

吉本ばななの本は、40冊以上読んだかもしれない。平易な文章のなかに、光る言葉がいくつもある。生と死、現実と幻想が混在した世界のなかを、ゆっくりと旅をする、そんな楽しみがある。 「ここには何か違う空気がある。むきだしの本物の真実の自分以外はひね…