言葉と記憶の小径。

D's Diary./The long and winding path of my own choice.

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「78:22の法則」。

資料をめくっているうちに「78:22の法則」という言葉が目に入った。ユダヤ人の法則で「22%の不完全部分は、後回し」というところ。 Never do today what you can put off until tomorrow. (明日に延ばせる事は今日するな) One of these days is none of t…

丁寧と刹那と。

年末、正月、そして、間もなく2月。こんなに早く時間が過ぎるなんて、と日々思うことが増えてきた。毎日を、この一瞬、この刹那を丁寧に生きることが大切って誰かが言っていた。けれど、いったい何をどう丁寧にすればいいのか、わからないまま時だけが過ぎて…

牛乳。

苗字にシマがつくから、シマちゃんとみんなに呼ばれていた。父さんは炭鉱に勤めていた。炭鉱といっても、大きな会社の下請けの下請けみたいなところで、背中や腕に入れ墨をしている人たちがたくさんいるのだと、シマちゃんから何度も聞かされた。みんなより…

根室本線、もしくは函館本線。

北海道の実家に行くたび、帰路は無理をしてでも、鉄道を使ってきた。家から歩いて3分のところに札幌行きの特急バスの停留所もあったけれど、徒歩やタクシーで駅まで行き、1日に数本しかないディーゼル車に乗って帰路につくのである。 父の職場は駅。その駅の…

安住せよ。

ずっと以前の話だが、住宅関係の方々との会合で、食洗機の話題になったことがあった。その場にいたほぼ全員が「採用しない理由がわからない」という。恒常的に水不足の土地でもなく、地方に行くと、世帯当たりの人数が2.0人を切るというのに、果たして必要な…

同居内孤立。

古いメモをめくる。8年前の記録がつづられている。 外出中の出来事だった。クルマの運転中、何度も携帯が鳴った。コンビニの駐車場にクルマを止めて確認。母がお世話になっていたデイサービスからだった。すぐに、かけ直す。電話に出た担当者はいかにも迷惑…

帰郷と帰省。

メモを開く。2015年の記録が目に入る。この年は確かに、年明けから春まで、実家の整理と母の転居に関する手続きで、多忙を極めた。月に2度も北海道を往復することもあった。 母に荷物の整理を頼んでも、まったくといっていいほど進まない。進行の早い認知症…

尽きる言葉。

〇日 ボックオフ。以前より通う頻度は減ったが、この日も30分ほどいて、1冊も買わずに店を出る。芥川賞が発表されたばかりだが、棚には、ここ数年の受賞作がずらりと並ぶ。全て100円。 帰り、大型書店に入る。売れ筋の商品が店頭で置き本になっている。置き…

「月と六ペンス」サマセット・モーム。

ソウルジョブともいえる為事を持っている男なら、一度は、こんな人生に憧れてしまう。画家のゴーギャンをモデルに書かれたとされるが、モーム自身の人生への憧憬が、そこにある。 絵を描くために妻も友人も裏切り、最後はタヒチ島に渡り、ライ病に冒されなが…

「マリカのソファー/バリ夢日記」吉本ばなな。

吉本ばななの本は、40冊以上読んだかもしれない。平易な文章のなかに、光る言葉がいくつもある。生と死、現実と幻想が混在した世界のなかを、ゆっくりと旅をする、そんな楽しみがある。 「ここには何か違う空気がある。むきだしの本物の真実の自分以外はひね…

「問題」と「謎」。

夜中、はっと目が覚める。リビングのソファにある彼の「寝床」を見に行く。弱々しい目が、まだかすかに光っている。 日に日に衰弱していくコロちゃん。ネコである。スーパーの店先に置き去りにされていた。尻尾が折れ曲がった、黄色の眼をした子ネコだった。…

継ぎ目や目地。

寅さんの映画を観ていると、団子屋さんの裏の印刷所の職人をつかまえて「おい、植工(しょっこう)たち!」といった言葉が頻繁に出てくる。妹のさくらさんのご主人も実は植工だった。いまでこそ、オフセット印刷が主流になったが、40年ほど前までは、どこの…

福引き。

子どものころ。欲しくて欲しくてしょうがないけど、買ってもらえなかったもの。レーシングカーのセット。曲がりくねったコースに2台か3台のレーシングカーをリモコンを操作して走らせ競う玩具だ。 お正月に百円札1枚のお年玉しかもらえなかった時代に、15…