言葉と記憶の小径。

D's Diary./The long and winding path of my own choice.

深刻と真剣

一昨年、京都でお世話になった方から、
丁寧な手紙をいただいた。なかに一遍の詩があった。

友来たり
父大好きに
花添えし
旅立ち後も
心温め
置き土産

結婚して間もなく、ご主人が大けがをして入院。お父様が亡くなって間もなくの頃だった。
退院するまでの数年間、いくつもの仕事を掛け持ちしながら
入院費をまかない、一人で出産、子育てを担い続けてきた。

「一日でいい。8時間寝ることだけが夢でした」


苦労の陰など微塵も見せない笑顔があった。
自分などとの出会いが「花」になったかどうかはわからないが
こういう人はきっと
森羅万象全てのことを、「花」として見る力があるのだと思う。

人生いかに生きるかを考えたり、書いたりするのも大切だが、
とにかく生きる。このことだけを貫いてきた人は強く、潔い。


深刻にではなく、真剣に生きる。そう気づかせてくれた手紙。